BrodmannのスピーカーはHans Deutsch(ハンス・ドイツ)が開発し特許を得た「HornResonator(ホーンレゾネーター)」を採用しており
、バスレフシステムやトランスミッションラインは使用していません。
基本的には「HornResonator」は<ドアスリット効果>とされる物理効果を使用しています。
ドアを開け放った状態で室外にいるとします。もし室内で音楽を再生すれば、ドアが開いている限り、全ての音楽を聴くことが出来ます。ドアを閉めてほんの少センチだけ空いている状態にすると低域周波数のみが聴こえ、ドアが開けば開くほど高域周波数が聴こえるようになります。つまり、ドアの開口部(スリット)がローパスフィルターとして機能するのです。クロスオーバー周波数はこのスリットの幅を変えることで調整可能です。Hans Deutsch は数年かけてこのシンプルな原理をスピーカーに採用しました。
Brodmann のシステムは 130Hz より下の周波数がフィルターをパスするように作られています。スロープは 4.5dB のため、最低域に近づけば近づくほど、低域をサポートするためにキャビネット内部にエネルギーを得られるのです。
キャビネットと「サウンドボード」の間のエアはドライバーとして使用されます。そしてリニアな特性のため、再生音に完璧に溶け合います。「サウンドボード」そのものは共振している訳ではありません。
Festival F1 と F2 では、低域パスポートはベースプレート面に向けられ、スピーカーのベースプレートは「サウンドボード」として機能します。
キャビネットからベースプレートまではわずか 4mm の距離で、そこから 130Hz 以下の周波数の背圧は押し出され低域をサポートします。FS ではスピーカーの底板周辺に 4mm の隙間が施されており、「サウンドボード」の役割を担います。
Festival スピーカーの「サウンドボード」と「Horn Resonator」デザインは明らかに小さく、上位機種で使用しているような大きなサウンドボードのようには完璧に効果的ではありません。それでもなお、優れてスピードがあり、結果、十分な低域をお届けすることが可能です。
「Horn Resonator」は特許を得た方式です。主な低域は 低域ドライバーからきており、「Horn Resonator」は 130Hz 以下の周波数のみをサポートするものです。
トゥイーターは 自社製28 ミリのシルクドームタイプです。 ウーファーの直径は 13 センチと小口径ですが、振幅は大きく、その原理は小型のポルシェが大きなトラックより早く加速できるのと同じです。駆動時の瞬間でさえも可能な限り歪みを発生させないため、ダイアフラムは非常に厚みがあります。弾力性の増加のためにマニラ紙で強化されたハンドメイドのペーパーで、強度と安定性のためにカーボンファイバーを混入しています。大きなサプライヤーからドライバーを購入せず、ハンドメイドのオリジナル・ドライバーを使用しているため、ドライバーのあらゆるディテールについて細かなコントロールが可能です。
クロスオーバーネットワークは位相補正のため-6dB/oct(1 次オーダー)に設計されており、空芯コイルと優れた素子を使用しています。
キャビネット内部は全くのがらんどうです。一片のダンピングマテリアルもありません。このアイデアは楽器がヒントになっています。楽器づくりにおいてレゾナンスを除去したり、不要な動作のためにダンピングマテリアルを使用する人がいるでしょうか?いいえ、楽器のデザインを一から始めるでしょう。ピアノの設計者が、弦が完璧にハンマリングされるのを求めるように、Brodmann もまた、ドライバーにはダンピングに対抗してアンプの信号に従うことを望みます。
この原理をスピーカーに適用するのには数年かかりました。バスレフシステムが定義通りに共振ピークを低減させるためにダンピングを必要とするのとは違い、Brodmann の低域システムはメカニカルなローパスフィルターで、設計上リニアな特性ため、ダンピングが不要なのです。キャビネットの素材は音質のばらつきを防ぐため MDF を使用。
Brodmann のピアノについての知識と素晴らしい表面仕上げ手法に基づいてスピーカーの仕上げを行っています。
一番小さいスピーカーもグランドピアノと同じ仕上げが施されています!ポーランドの老舗工場で 8 層もの重ね塗りを施した、ほぼ完璧な鏡面仕上げです。キャビネットの組み立てと塗装をポーランドの老舗工場で行い、その後のスピーカーの制作はすべてオーストリア・ウィーンで行っています。